住宅ローンの審査に落ちた理由と対応方法
こんにちは、株式会社武蔵小山不動産の吉沢です。
銀行に住宅ローンの事前審査を出したのに、承認されなかった場合、理由を知りたいと思いますよね。
銀行の担当者から聞いた落ちた理由と、今まで私が経験した審査に落ちた事例をもとに説明いたします。
今後の住宅購入の参考にして頂ければ幸いです。
目次
①絶対に住宅ローン審査に落ちる原因
個人信用情報機関に「異動」の記載がある場合。
「異動」イコール「ブラックリスト」と思って頂けるとわかりやすいと思います。
これは絶対に住宅ローンの審査に落ちます。
どの金融機関に事前審査を出してもすぐに落ちます。即日とか数時間で銀行から連絡がきます。
異動の記載があると年収が高くても、一部上場企業や公務員でもダメです。
対策
異動情報は最長5年間記載されますので、最長5年間待って記載が無くなるまで待つしかありません。
②過去に借入があって返済が遅れたことがたびたびある
基本的には、消費者金融からの借入は、すでに返済済なら大丈夫です。
しかし返済に遅れがないのが前提です。返済が遅れたことがよくある場合は、厳しい状況になります。
一部の金融機関では消費者金融から借りていること自体が駄目、という銀行があります。
対策
返済の遅れがあった場合は、不動産会社の担当営業、又は金融機関に事前に相談してください。
どうしても駄目な場合は、①と同様で個人信用情報機関の記載が無くなるまで待つのがいいです。
③現在、消費者金融から借りている
一般的に都市銀行(メガバンク)は、消費者金融からの借入があると事前審査が承認になることは難しいです。
地方銀行などは、消費者金融から借入れをしていても、特に問題にしない銀行もあります。
ただ、複数(3社以上)借りていると地方銀行でも難しくなります。
審査が承認されても住宅ローンの借入可能額が減額されます。
注意して欲しいのが、月々の返済に遅れがないことが前提です。
対策
消費者金融からの借入れは、全額一括返済しましょう。
一括返済出来ない時の対応は、金融機関によっては「おまとめローン」というものがあります。
④収入から計算した借入限度額めいっぱいの借入
銀行は、年収に対して、これくらいなら貸してもいい、という限度額を決めています。
この限度額めいっぱいまで借入れをすると、審査が厳しくなります。
限度額まで借入を出来る人は、銀行が独自に決めている評価の点数が満点に近い人です。
評価の基準は色々とあるのですが、例えば(勤務先・年齢・勤続年数・結婚などなど)です。
この中の一つでも点数が低いと限度額が下げられてしまいます。
年収の40%を限度額に設定している銀行があります。
仮に限度額まで承認されても、約給料の半分が住宅ローンになってしまうので、他の費用をかなり節約しないと生活できないと思います。
対策
・自己資金を入れる。
・物件の価格を下げる。
・奥様の収入を合算する。
⑤他にも借入(ローン)がある
消費者金融には借入れがないけど、現在ローンがあることがあります。
例えば、車のローン、リボ払い、投資用マンションなど。
ちなみに、クレジットカードで買い物をした1回払いは、遅れがなかったら審査に影響ないです。
車や投資用マンションなどで、すでにローンがある方でも住宅ローンは借りることができます。
銀行は借りる人の年収によって、住宅ローン返済額の上限を決めています。返済額は銀行によって違います。
車などその他のローンがあると借入可能額が低くなります。
審査が通るのは、ローンの返済に遅れがないことが必須です。
遅れがあると個人信用情報機関に記録が残るので承認されない可能性が高いです。
対策
・他のローンを一括返済する。
・物件の価格を下げる。
・奥様の収入を合算する。
⑥勤続年数が短い
各銀行によって勤続年数の条件は、バラバラですが、3年以上と書いている銀行が多いです。
だだ、3年以上と書いてあっても、勤続1年から審査をしてくれる銀行もありました。
フラット35やソニー銀行などは、最初から勤続1ヶ月で審査してくれます。
その場合は、借入可能額が減額されるなど審査は厳しくなります。
健康保険証の加入年月日で入社日を確認しますので、ウソの記載をしてもバレます。
対策
勤続年数が短くても審査してくれる銀行に変更する。
⑦正社員以外の雇用形態
契約社員、派遣社員、アルバイトでも審査可能と書いてある銀行はあります。
正社員に比べて収入が安定しないなど、雇用が不安定なので審査はかなり厳しいです。
対策
正社員でなくても審査してくれる、フラット35などに変更する。
⑧銀行が定める最低年収を満たしていない
各銀行は、住宅ローンの審査条件として最低年収を設定しています。
この最低年収は、銀行によって違い、最低100万円とか最低400万円だったりします。
400万円前後に設定している銀行が多いと思います。
一般的には、都市銀行が一番厳しく、地方銀行、フラット35は最低年収を低く設定しています。
対策
年収の審査基準が低い、フラット35や地方銀行で審査する。
⑨借り入れを希望している本人に問題なくても物件に問題がある
どの銀行も物件が融資条件を満たしていないと、審査は承認されません。
物件の融資条件は、
・建ペい率、容積率オーバーの物件
・隣地へ越境している
・前面道路が要件を満たしていない
・土地や部屋の広さが銀行の融資条件以下
・借地
銀行によって条件は違いますが、上記のような融資条件があります。
⑩勤務先が親の会社又は親族の会社
会社員だけど勤務先が親の会社や親族の会社だと、審査が厳しくなります。
同族会社だと給与の設定を自由に設定出来るからです。
銀行は、年収に正当性がないと考えています。
よくあるパターンですが、直近1年間だけ年収を上げるなどの操作をする人がいます。
勤務先が親の会社の場合、銀行は、直近3年分の住民税課税証明書、会社の決算書直近3年分を求めてきます。
また、会社員の場合、社会保険への加入は義務ですので、国民健康保険の場合は審査が厳しくなります。
⑪所得税・住民税を払っていない、又は滞納している。
確定申告の必要がある人が、確定申告せずに税金を支払っていない場合は、確実に審査に落ちます。
納税証明書も求めてきますので、滞納していると審査が厳しくなります。
⑫離婚した又は急に扶養家族が増えた
多くの銀行は、直近3年分の源泉徴収票の提出を求めてきます。
去年の源泉徴収票まで、扶養家族欄に奥様の名前があり、今年の分に記載がないと銀行は離婚した可能性を考えます。
この場合、慰謝料や養育費が発生すると銀行は考えるので審査が厳しくなり、借入額を下げられる可能性があります。
また、今年の源泉徴収票から扶養家族欄に複数人の記載が増えた場合も、生活費が多くなると考えるので、借入額を下げられる可能性あります。
⑬男女問わず独身
銀行は、「なんで独身の人が家族で住むような物件」を買うのと考えます。
購入して賃貸に出したりする人がいるので、銀行としてはリスクとして考えています。
住宅ローンは自分で住むためのローンです。賃貸に出してしまうと契約違反になります。
⑭結婚しているけど奥様名義で審査を申し込んだ
銀行は奥様だけで審査に申し込んだ場合、次のような事を想像します。
・旦那様が自己破産している。
・旦那様が個人事業主で所得が低い
・旦那様がブラックリスト
旦那様に上記のようなことがあると、銀行は余計な生活費が掛かる可能性があると考えます。
銀行はリスクを取りたくないので、奥様名義で申し込んだ場合、旦那様を連帯保証人になることを求めてきます。
連帯保証人になると、個人信用情報を調査しますので、旦那様の現在と過去の返済情報が分かるようになります。
返済が遅れたりブラックリストになっていると審査に落ちる可能性が高いです。
まとめ
審査に落ちる理由はいくつもあります。
ただ、銀行は審査に落ちた理由を教えてくれません。
個人信用情報機関に異動の文字(ブラックリスト)の記載があると確実に落ちます。
それ以外の場合でも審査に落ちる可能性が高くなるか、借入額を下げらるれなど条件が付いてきます。
不動産会社の担当営業が住宅ローンに詳しくないと、お客様の状況にピッタリの銀行を提案できません。
その為、不動産会社選びより担当営業を見極めてください。